当社でNP掛け払いを用いたなりすまし注文がありましたので、そのいたずらの事例紹介と対応内容をここに記録していきます。
身に覚えがないなりすまし注文やいたずら注文の被害を受けた方が参考となれば幸いです。
NP掛け払いとは
NP掛け払いとは、与信・請求書発行・代金回収・入金管理・督促などを代行するサービスとなっています。
NP掛け払いを利用することで、ECサイト等で、掛け払い(後払い)で購入できます。
参考:https://np-kakebarai.com/lp/atobarai_yago_1a/
NP掛け払いによるいたずら(なりすまし)の事例
なりすまし購入のあったECサイトから当社に「昨日の21時にご購入された件で確認させてください」と連絡があり、NP掛け払いによるなりすまし購入が発覚しました。
ECサイト側としては、購入情報の一部に不審な点があったため、念のために確認したとのことでした。
購入内容は10万円を超える商品で、購入者・配送先住所・電話番号は全て当社のものでした。
購入に身に覚えがないため、キャンセルのお願いをしました。
また、同様のいたずらが起こらないように、当社名義ではNP掛け払いをできないように依頼をしたところ「当社ではできませんが、NP掛け払いを運営しているネットプロテクションズに相談してみてはいかがでしょうか」と返答がありました。
ネットプロテクションズの対応
ネットプロテクションズのサポートに電話をし、「今後、当社名義で掛け払いや後払いの処理を中止してしてほしい」と伝えたところ、下記の回答がありましたので参考に記載しておきます。
- 「ECサイトの依頼に基づき請求書発行を代行おり審査に関わっていないため予防できない」(詳しく聞くと、審査といっても名前・住所などの整合性をチェックしているだけとのことです)
- 「4年サポート対応をしているが、なりすまし購入は0件。今回が初めて。ただし、NP掛け払いの範囲。NP後払いは、別部署に問い合わせください。」
- 「現状、特定の名義で弾くシステムがない。そのため対応できない。」
- 「なりすまし購入などのいたずらがあれば、その都度対応する。予防方法はない。」
- 「今回の場合はNP掛け払いではなくNP後払いです。」(どうやらECサイトの方が誤認をしていたようです)
現状ではなりすまし購入を予防できず、都度キャンセル対応を依頼するしかないとのことです。
なりすまし注文の問題の背景
なりすまし注文の問題点を整理していきます。
大前提、なりすまし注文をする人が悪いのですが、この問題を他責にしても被害を避けられないため自責化して考えていきます。
なりすまし注文の目的
なりすまし注文の目的は下記が想定されます。
- 嫌がらせ目的
- アフィリエイト目的
嫌がらせの場合は、多様な手段で被害を受けることが想像できます。
またアフィリエイト目的の場合は、アフィリエイト収益を受け取ることが最終目的のため様々な高額商品をなりすまし注文されることが想像できます。
なぜ、なりすまし注文できるのか?
第三者がなぜ、なりすまし注文できるのかは、決済の簡略化に問題があるかと思われます。
クレジットカード決済やコンビニ払いなどは決済が先のため、なりすまし注文の難易度は高いと言えます。
一方で、代引きや掛け払い、後払いは商品受け取り後の支払いのため、なりすまし注文が発生しやすくなるでしょう。
特に、今回の掛け払いの場合、「名前」「住所」「電話番号」程度で購入ができるようです。
購入者の意思を確認せず、名前・住所・電話番号程度で勝手に審査し、請求する手続きが掛け払い・後払いの問題と考えられます。
このような仕組みに対して問題の声を上げると同時に、勝手に審査・請求されないよう、決済会社に依頼することが対策となりそうです。
NP後払いによるなりすまし購入のネットプロテクションズの対応
「NP後払いでのなりすまし購入」だとNP掛け払いの窓口にいただき、NP後払いの窓口に案内いただきました。
同様に、「今後、当社名義で掛け払いや後払いの処理を中止してしてほしい」と伝えたところ、下記の回答がありましたので参考に記載しておきます。
- 「ECサイトの依頼に基づき請求書発行を代行おり審査に関わっていないため予防できない」
- 「なりすまし購入などのいたずらがあれば、その都度対応する。予防方法はない。」
- 「なりすまし購入はよくある。全数はわからないが、私が担当している数は1ヶ月あたり10件です。」
- 「ブラック化する方法があるかもしれないが、家族もNP後払い・NP掛け払いできなくなる。問題ないか、社内で確認する」
とのことです。
なりすまし購入が多発しているにも関わらず、予防の対策をしていないのは困ります。
今後の対応
会社運営をすると、名前・住所等は誰でも分かります。
そのため、今回のようなNP掛け払いやNP後払いによるなりすましのリスクが常にあり、事前に予防しておきたいが現状できません。
同様のトラブルがあった方は消費者庁や加盟団体である日本後払い決済サービス協会に情報共有をして、改善を働きかけていきましょう。