SEやITエンジニアから公務員に転職することは簡単ではありませんが可能です。
具体的な方法としては以下の2つがあります。
- 地方公務員の一般募集を受ける
- 民間企業経験者枠で申し込む
一言に公務員と言っても国家公務員、地方公務員、準公務員などがあり、それぞれ試験は異なります。
この記事では、SEやITエンジニアから公務員への転職を検討している方に、試験難易度や勤務形態などでも一番現実的な地方公務員を取り上げて説明していきます。
公務員にもデメリットがあり、事前に公務員の良い点・悪い点を理解することが重要です。
長時間残業などの働き方を見直したい方はぜひ最後までご覧ください。
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目次
SEから公務員に転職する2つの方法
SEから公務員に転職する方法は次の2つがあります。
- 地方公務員の一般募集を受ける
- 民間企業経験者枠で受ける
「地方公務員の一般募集」は年齢制限があります。
一方で「民間企業経験者枠」はある程度民間企業でキャリアを積んでいる人であれば年齢に関係なく受けることが可能です。
地方公務員の一般募集を受ける
地方公務員試験は多くの人が受けることのできる試験です。
年齢制限さえクリアしてしまえば、高卒、大卒、フリーターであろうと受験可能なのが地方公務員試験の特徴と言えます。
年齢制限は各地方自治体で設けられていますが、概ね年齢上限は30歳前後となっています。
自治体によってはもっと高齢でも採用しているところもありますので、詳細は各地方自治体のホームページにある「職員採用情報」を参考にしてみてください。
近年は公務員試験の年齢上限の緩和措置が取られる傾向にあります。
終身雇用システムが薄れてきて、30代、40代での転職も珍しくないことから、雇用の受け皿として公務員の間口を広げることと、社会人経験を活かした即戦力を採用することで、自治体をより活性化することが期待されているためです。
民間企業経験者枠で申し込む
仮に年齢制限の上限を超えてしまっている場合でも、「民間企業経験者枠」で受験することも可能です。
こちらに関して年齢制限はありません。
ただし、勤続年数の条件があり、「5年以上」「直近7年で5年以上」など各地方自治体によって定められた経験が必要となります。
民間企業経験者枠での採用は近年増加傾向にあるものの、すべての地方自治体が実施しているわけではありません。
詳細は各地方自治体のホームページにある「職員採用情報」を参考にしてみてください。
全国の自治体の日程がまとまっている「民間企業経験者の公務員試験日程一覧」もあり、こちらで探すこともできます。
公務員は安定はあるものの高給は狙うことができない職業です。
難しい試験を突破したのに、仕事は激務で薄給な仕事に転職するのはいかがなものでしょうか?
働き方改革の功績もあり特に大手企業のSEは長時間残業を厳しく制限しており、給与も公務員よりも高いケースが多々あります。
公務員よりも働きやすく、高待遇なSEへの転職も検討してみてください。
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ITエンジニアから公務員への転職難易度
公務員への転職を成功させるためには、筆記試験に合格し、面接を受ける流れとなるため難易度は「高い」と言えます。
- 通常の転職:書類選考、面接
- 公務員への転職:公務員試験、面接
SE業務をされているかたであれば、コツコツ勉強すれば合格することは可能でしょう。
しかし一般試験には年齢制限という壁がありますので時間をかけるとそれだけチャンスが減ってしまいます。
キャリアがあれば民間企業経験者枠で受験することも可能です。
受けたい地方自治体の情報は常に仕入れておきましょう。
公務員試験対策の方法
公務員試験にはどのようなものが出るのかイメージが湧かない人も多いと思います。
試験内容は
- 教養試験
- 論文試験
- 面接
の3つです。
試験対策としては次の3つの方法があります。
- 独学
- 専門学校
- 通信教育
順に紹介していきます。
独学で公務員になる
お金をかけずにすべて自分で対策する方法です。
一般教養試験は大きく分けると「一般知能」「一般知識」の二つに分類でき、その詳細は次のようになります。
- 一般知能:文章理解、数的処理
- 一般知識:自然科学、人文科学、社会科学、時事
これらは公務員試験の過去問題集や参考書で勉強することが可能です。
論文試験も勉強方法が分からないという方が多いかと思いますが、公務員試験対策用の関連書籍があります。
面接に関しては面接の知識を入れてイメージトレーニングを欠かさないこと、知り合いに頼んで模擬試験を実施するなどで対策することができます。
独学はお金をかけずに対策することができるというメリットがあります。
一方で、論文や面接でどのように改善すれば良いか、継続して勉強し続けられるモチベーションが保てられるかといった問題もあります。
専門学校に通って公務員になる
どうしても自分だけで対策するのが不安、しっかりとテクニックを学びたいという場合には専門学校に通うことも有効な手段となります。
仕事があっても働きながら通える夜間コースも用意されていますので、安心して通うことができます。
学費は有名どころで30万円~、と高額になるデメリットがありますが、さまざまな受験ノウハウやカウンセリングを利用することができます。
そのため、一人で勉強するよりも効果的に対策することができますし、モチベーションの維持も容易というメリットがあります。
通信教育を受講して公務員になる
お金はそこまでかけたくないけど、専門学校のカリキュラムを使ってノウハウを学びたいという場合には通信教育がおすすめです。
専門学校で通信教育コースを用意しているところもありますので、通いのコースよりも割安で授業を受けることが可能です。
教材はテキストだけでなく、DVDやウェブ動画など映像を通して学ぶことができるため、効果的に学ぶことができます。
学校に通う時間がもったいない、学費をなるべく抑えて効果的に勉強したいという方にメリットのある方法です。
社内SEもおすすめ
公務員を検討する場合、社内SEの検討もおすすめです。
特に大手企業ほど長時間残業を厳しく制限しており、給与も公務員よりも高いケースが多々あります。
DX化のニーズがあり、多くの企業で社内SEの採用を強化しており、今がチャンスと言えるでしょう。
ただし、大手の社内SEは人気で非公開求人になっているケースが多いため、マイナビIT AGENTといったIT専門の転職エージェントに登録し案内してもらえるようにしておきましょう。
無料で利用ができ、「良い求人があったら応募したい」といった方に人気です。
ITエンジニアから公務員になるメリット
ITエンジニアから公務員になることのメリットとデメリットは事前に確認しておき、自分でもう一度考えをまとめておくことは大切です。
SEから公務員になる最大のメリットはまさに「安定」と言えます。
主なメリットは次のとおりです。
- ワークライフバランスを取りやすい
- リストラの心配がない
- 安定して給料が上がっていく
- 転勤がほぼない
「プライベートが安定する」「仕事が安定する」といった部分はまさに公務員の特徴と言えます。
ひとつひとつ解説します。
ワークライフバランスを取りやすい
公務員の平均残業時間は13.2時間となっています。
>参考:総務省「地方公務員の時間外勤務に関する実態調査結果」
残業・休日出勤が当たり前のSEに比べると公務員の残業時間は少ないと判断できます。
ただし、このデータはあくまで平均値です。
残業が比較的多い職種というのは存在するはずです。
ワークライフバランスを優先したいのであれば、どのような職種に就くかもしっかりリサーチしておく必要があります。
リストラの心配がない
公務員の場合はよほどの不祥事を起こさない限りは安定して仕事を続けることができます。
変遷の激しいIT業界では会社の成績不振によるリストラというのは珍しい話ではありません。
そういう点では仕事が安定して長く働けるというメリットは大きいといえます。
安定して給料が上がっていく
公務員の給料は年齢と勤続年数に応じて上がっていくので、基本的に毎年昇給していきます。
民間企業のように頑張り次第で一気に上がるということはありません。
しかし役職クラスに上がるということをしなくても長く勤めていけばいくほど昇給していきます。
毎年5千円の昇給を10年続けると5万円の昇給、年収に直せば60万の違いです。
ここにはボーナスを含めていませんので、実際にはもっと上がるでしょう。
転勤がほぼない
全国を定期的に異動することになる国家公務員は除きますが、地方公務員は地方自治体での仕事になりますので、ほとんど転勤ということがありません。
そのため、異動による精神的な負担はかなり少なくなります。
ITエンジニアから公務員になるデメリット
公務員に転職することのデメリットとしては「仕事への満足感」という点が挙げられます。
具体的には次のようになります。
- 仕事へのやりがいを感じるのが難しい
- 自分を高めるのが難しい
- ITエンジニアと比べると給料が下がる
ひとつずつ紹介していきます。
仕事へのやりがいを感じるのが難しい
どうしても公務員の業務は仕事のやりがい、達成感という点で物足りなく感じる人が多くなる人が一定数います。
仕事をやる人とやらない人の差が激しいという話もあり、安定した仕事にあぐらをかいてしまい、頑張っても疎外感を感じるということがあります。
参考:神奈川県横浜市役所の口コミ
実際に定時となる17時あたりに市役所に行ってみてください。
定刻のチャイムがなっている間にも退勤する職員とすれ違うことができるでしょう。
退勤を待ちわびる働き方は、働く意義を求める人にとってはデメリットになるでしょう。
自分を高めるのが難しい
ITエンジニアという仕事は次々と新しい技術や知識を吸収していかないと業界の流れについていくことができません。
会社にもよりますが、資格取得なども奨励されるので日ごろから自己を高める必要があります。
それと比較すると、資格取得を奨励されるわけでもない公務員は意識を高く保たないと自己研鑽する機会というのが少ない傾向があります。
ITエンジニアと比べると給料が下がる
ITエンジニアと比較すると残業の少ない公務員は給料面で落ちる可能性があります。
総務省の「平成28年 地方公務員給与の実態」によれば、平均給与が30万円を超えるのは30代後半という統計があります。
しかし、30万円を超えたあたりからは比較的上昇率は高くなっていくため、そこまで我慢できるかが分かれ目になりそうです。
とくに、現役SE時代はバリバリ働いていた人や20代から30代前半の方は給与を比較するとガクッと落ちることが予想されるため、生活水準などを見直す必要がでてくるかもしれません。
ワークライフバランスが取れる民間企業も選択肢のひとつ
民間企業への転職を考えるのであれば、第一に「長く働ける職場」を考えるようにしましょう。
入ってみたらブラック企業だったというようなことがあっては本末転倒になります。
また、ITベンチャーは短期的に見れば給与も良く魅力的に映るかもしれませんが、長期で見ると業務が大変で離職してしまうこともあります。
SEであれば「社内SE」や「自社開発企業」などに就職すれば、下請けではなくなるのでクライアントに振り回されるリスクがグッと下がります。
上記のような条件で自分の力だけで転職するのは意外に大変です。そういうときには転職エージェントを利用しましょう。
転職エージェントは無料で転職をお手伝いしてくれるサービスで、取り扱っている案件も豊富で、自分の希望を伝えておけば、エージェントの方から企業を紹介してくれて、エントリー、面接の日程調整、なども代行してくれます。
そのため、仕事をしながらでもスムーズに転職活動を進めることができますし、転職エージェントは企業訪問などで現場の空気や社風などもしっかり調査してから提案してくれるので、ブラック企業にあたる心配がありません。
まとめ
地方公務員を目指すのであればまずは自分が公務員になることのメリットとデメリットをしっかり把握して、何を優先させるのかを決めておきましょう。
そのうえで目指すのであれば、年齢制限のある一般枠と年齢制限のない民間企業経験者枠がありますので、自分の希望する地方自治体の情報をしっかり確認しておきましょう。
試験対策は個人・専門・通信を上手く利用すれば仕事をしながらもすることが可能です。
もし時間の確保が厳しい方は転職も検討してください。
企業によって労働環境が大きく変わります。
待遇の良い大手企業の求人が多いマイナビIT AGENTといった転職エージェントを利用して安心して働ける企業探しも選択肢として持つことで、今の悩みから脱出できるでしょう。
選択肢は公務員だけではない
SEなどのITエンジニアから公務員への転職は可能ですが、コツコツと勉強する必要があり時間の確保を考えると難易度は高いと言えます。
もし、残業のない仕事を希望する方は公務員試験の対策と同時に、マイナビIT AGENTに登録しておき非公開求人として紹介される大手SIerの求人を見逃さない様にしておきましょう。
特にITエンジニアであれば公務員では難しい在宅ワークも多数あります。
情報収集には手を抜かない様にしておきましょう。