近年、システムエンジニア(SE)の仕事は、家庭やプライベートとの両立が難しい職場が多いのが現実です。
SEは残業が多い傾向が高く、特に、結婚や出産、育児などのライフイベントを迎える女性にとって、働き方を見直す必要があるためです。
最近では、リモートワークやフレックスタイム制度を導入している企業が増えており、これにより女性SEがプライベートと仕事を両立しやすくなっています。
この記事では、女性SEがプライベートと両立しながらキャリアアップしやすい転職先を紹介します。
転職を考えている女性SEの方は、ぜひ自分の希望に合った職場を探してみてください。
ちなみに女性エンジニアの平均年収は、女性の平均年収を上回る傾向にあるため、しっかり収入を得たい女性にはおすすめです。
転職に対する不安がある場合には、転職エージェントを利用することでその悩みを解消して転職活動を進めることができるので、ぜひ利用してみましょう。
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目次
女性SEが転職を考える理由とは?
女性のSEが転職を考える理由の多くは、残業量が多くプライベートな時間を取りにくいためです。
残業が当たり前のSI業界では、最低でも月20時間ほどの残業が一般的でしょう。
企業の勤務日数が月に20日程度とすると、1日1時間程度の残業が発生していることになります。
プロジェクトが佳境にさしかかると、より多くの残業が発生します。
人によっては月100時間以上の残業を経験したこともあるのではないでしょうか。
このレベルになると平日の残業はもちろん、土日も出社も余儀なくされます。
SE業界とそれ以外の業界での残業に対する認識を以下の表にまとめて比較してみましょう。
残業時間 | 平日1日あたりの平均残業時間 | 休日出勤頻度 | SI業界のイメージ | 一般企業からのイメージ |
---|---|---|---|---|
月間20時間 | 1時間 | 無し | 少ない | 標準 |
月間40時間 | 2時間 | 無し | 標準 | やや多い |
月間60時間 | 3時間 | 0〜2回発生 | やや多い | 多い |
月間80時間 | 3〜4時間 | 2〜4回発生 | 多い | 非常に多い |
月間100時間 | 4時間 | 4回以上発生 | 非常に多い | さらに多い |
実際に私がSE業界やその他の業界でコンサルタントを担当してきた経験から上記のようにまとめています。
SE業界は比較的残業して業務をこなす文化が蔓延している企業が多く、その結果として他の業界よりも残業時間が長くなってしまっても標準的なものとして扱われてしまうことが少なくありません。
女性が重要視することも多いプライベートな時間への影響度を纏めると以下の表のようになります。
残業時間 | 平日1日あたりの平均残業時間 | 退勤時間 | プライベートへの影響 |
---|---|---|---|
月間20時間 | 1時間 | 18:30 | あまりない |
月間40時間 | 2時間 | 19:30 | 許容範囲 |
月間60時間 | 3時間 | 20:30 | 影響あり |
月間80時間 | 3〜4時間+休日出勤 | 20:30〜21:30 | プライベートな時間は少ない |
月間100時間 | 4時間+休日出勤 | 21:30 | プライベートな時間は取れない |
ここでは定時退勤時間を17:30として表を作成しています。
そのため、18:00を定時としている企業ではプライベートへの影響が多少は変わってくると考えられます。
この表から読み取れる通り、どうしてもSE業界のように残業が恒常化している業界は、女性にとって過酷な現場であると言わざるを得ないと考えられます。
女性SEが転職を考えるタイミングは?
女性の方々はどういったタイミングでSEからの転職を考えるのでしょうか。
女性がシステムエンジニア(SE)からの転職を考えるタイミングは、結婚や出産などの人生の大きな転機であることが多いです。
一般的には、結婚や出産後は出費が増えるため、安定した収入を維持したいと考えることが多いですが、意外にもこの時期に転職を考える女性が増えています。
これは、SE業界の残業が多く、プライベートな時間が確保しにくいことが主な理由です。
結婚や出産を経ると、プライベートな時間の確保がより重要になります。
幸い、ITエンジニアとしての需要は高く、企業間でエンジニアの争奪戦が繰り広げられています。
その結果、魅力的な職場や福利厚生を提供する求人も増えてきています。
つまり、女性SEは求人を選べる立場にあり、より良い職場を妥協なく探すことが可能です。
転職を考える際には、自分に合った職場を見つけるチャンスです。
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女性SEにおすすめの選択肢と転職先
女性SEがプライベートと両立しやすくキャリアアップしやすい、おすすめの選択肢・転職先は次の通りです。
- 大手SIerへ転職する
- 社内SEへ転職する
- 事務職へ転職する
- 働き方・雇用形態を見直す
ちなみに、ベンチャーやスタートアップなどのWeb系はおすすめできません。
売上を軸とした成果主義であったり、事業環境が目まぐるしく変わるためより多忙になるためです。
さらに、従業員も若い方が多く出産や育児をしながら働ける制度が整っているのはメガベンチャーくらいです。
プライベートを重視したい方はWebエンジニアは避けることをおすすめします。
SEから大手SIerへ転職する
女性SEの転職先として、富士通や日立、NTTのような大手SIerがおすすめです。
なぜなら、企業規模に合わせて女性SEも多く、結婚・出産・育児といったライフイベントに対応した制度が存在し、実際に運用されているためです。
特に注目していただきたい点は単に制度があるだけでなく、当たり前のようにその制度を利用している点です。
女性SEのロールモデルが多く存在するため、周囲からの理解もあり働きやすい環境です。
具体的に大手SIerが女性におすすめなポイントは次の3点です。
- 配偶者の転勤に対応しやすい
- 育児休暇などの福利厚生が充実
- 女性SEのキャリアパスがある
これらについて一つずつご紹介していきます。
大手SIerだと配偶者の転勤に対応しやすい
配偶者の転勤が発生したとき、大手SIerだと各地方に支店が存在しているため異動希望を出すことができます。
中小規模のSIerであれば都市部に本社が用意されているだけで、配偶者の転勤先に支店がなければ退職せざるをえません。
どのような地域に配偶者が転勤になったとしても、大手SIerならそこから通勤できる範囲内に支店が用意されている可能性が高くなりますので転職先の選択肢としてはおすすめです。
配偶者が転勤するタイミングは大手SIerへの転職を考えている女性SEにとっては、自分の勤務地も変更するキッカケになる大きな節目であると考えておきましょう。
大手SIerだと育児休暇などの福利厚生が充実
大手SIerは女性目線でも福利厚生が充実している点がおすすめポイントです。
具体的には次の2点です。
- 育児休暇など休みやすい環境が整っている
- 手当などの金銭面での補助が整っている
上記2つを合わせてここでは福利厚生が充実していると記載しています。
こういった福利厚生は中小企業よりも大手企業の方が体系だって運用されていることで内容が充実していることが多いです。
大手企業であれば労働組合などが存在していることもありますので、こういった育児休暇などの福利厚生も手厚く用意されていることが少なくありません。
女性SEが転職先として同じ業界を選択するのであれば、このように福利厚生が充実している大手SIerを選択することが重要です。
産休などが用意されていれば妊娠を機に仕事を辞めることを考える必要も無くなりますし、生活が安定すれば職場復帰することも可能ですのでおすすめです。
慣れ親しんだ職場に出産後も復帰できるというのは精神的にも非常にプラスになる要素です。
こういった要素を活かしたいのであれば出産前ではなく、結婚を機に大手SIerに転職し女性SEとして活躍しやすい場を確保しておくことが重要となるでしょう。
大手SIerだと女性SEのキャリアパスがある
大手SIerであれば中小企業などに比べると女性SEとしてのキャリアパスも形成されています。
転職してきた女性SEのキャリアパスの例としては以下の表のようなものがあります。
転職時(年齢) | 3年後 | 5年後 | 10年後 |
---|---|---|---|
システムエンジニア(30歳) | プロジェクトリーダー | プロジェクトマネジメント | コンサルタント |
システムエンジニア(32歳) | 社内SE | システム部門リーダー | システム部門企画責任者 |
プログラマ(28歳) | システムエンジニア | プロジェクトマネジメント補佐 | 課長代理等管理職候補 |
ここでは私が実際に見てきた大手SIerでのキャリアパスを大雑把に例として記載しています。
SIerへの転職ですので、女性SEに限らず転職時の立場はシステムエンジニアかプログラマとなります。
大手SIerは上流工程を中心に扱っていますので、プログラマとして転職する例はあまり無いのですが、全く例として見られないものではありませんので参考としてご紹介しています。
中小企業では役職の人数に限界があるなど、どうしても仕事がテキパキとこなせる優秀な人でも昇進しにくい現状があります。
それに対して大手SIerであれば仕事ができる人はしっかりと昇進する仕組みが用意されていて、これは女性であっても同じことです。
特に大手のSIerともなると女性管理職の人数比が高いこともありますので、女性が実力を付けてキャリアパスを伸ばしていることが見て取れます。
転職後もSEとしてキャリアアップしたいと考えているのであれば、大手SIerへの転職を目指すのが一番良いと言えるでしょう。
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SEから社内SEへ転職する
家庭との両立に悩んでいる女性SEの方には、過度な残業が少ない社内SEの転職を検討してみましょう。
システムの入れ替えや新卒入社などを除けば、比較的作業時間が平準化されているため残業少なく帰宅できます。
社内SEの仕事内容は企業によって大きく変わりますが、社内情報システム部門といった間接部門に配属され、下記のような作業が多い傾向です。
- ノート型パソコンや携帯電話の端末管理
- システムのQA対応
- システム導入・改善のプロジェクト推進
- IT戦略の立案・推進
企業ごとにどのようなポジションを募集しているのかは全く異なっています。
そのため自分で数多くの求人を探すよりも、マイナビIT AGENTのような転職エージェントに相談して求人を探したほうが素早く情報収集できますのでおすすめです。
社内SEとして転職する場合には、SEとして働いていてもプライベートの時間が確保しやすくなります。
そのためSEではありますが、社内SEに転職すれば残業が多く女性には過酷な環境では無くなると考えられています。
社内SEについてより詳しく知りたい方はこちらの記事も合わせてご覧ください。
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SEから事務職へ転職する
SEという職業にこだわりがない女性の方であれば、転職先には事務職という選択肢もあります。
事務職となると、基本的にはSEとしての経験を活かすことはなくなってしまいます。
しかし、何かしらの社内システムなどを導入している経験があれば、SEとしてサポートしてきた経験や知識が事務職でも活かせる可能性が無いとは言えません。
特に事務職で利用する機会が多いWordやExcel、Windowsの操作などSEで培ったITスキルは事務職となっても活かすことが可能です。
また、これらのスキルに長けていれば職場の中でも重宝され貴重な存在となれるでしょう。
SEとして働く場合に比べると、事務職という一般職になると収入が下がってしまうのですが、無理な残業は減ることが期待されますし、家庭やプライベートな時間を確保しやすくなり、仕事とのバランスが取れた生活を送ることができるようになるでしょう。
派遣やフリーランスになる
女性が転職を成功させるためには異なった職業・職種で働くことだけを考える必要はありません。
女性SEが転職を成功させるためには、働き方を見直すというのも選択肢としては用意されています。
特に契約形態にこだわらない働き方を考えてみることも選択肢として考えてみましょう。
SE業界における働き方としては以下の表のようなものが例としてあります。
契約形態 | 収入の安定性 | 福利厚生 | 責任 | 拘束時間 |
---|---|---|---|---|
正社員 | 安定している | 充実していることが多い | 大 | 拘束時間が長い |
派遣社員 | 派遣先に左右される | 派遣元に左右される | 中 | 拘束時間は長め |
アルバイト | 時給が大半で働いただけ | 特に用意されていないことも多い | 小 | 拘束時間は限定的 |
上記に挙げたもの以外の働き方もありますが、大きく分けると3つに分かれると考えられます。
日本では、正社員として安定した収入を得ることが一般的な考え方ですが、女性SEが妊娠や出産を経験する際には、正社員にこだわる必要がないかもしれません。
特に共働きの場合、配偶者が正社員であれば、女性SEは転職先において正社員にこだわらず、他の働き方を検討する余地があります。
正社員として働き続けるのであれば、正社員としての責任や拘束時間が大きいことから、過酷に感じることも多いですが、柔軟な働き方を選べば、よりプライベートを重視できる可能性があります。
例えば、時短勤務が可能な企業や、派遣社員やアルバイトとしての働き方も選択肢として考えましょう。
これによって、SE業界でありながら、より自分のライフスタイルに合った働き方ができるかもしれません。
女性SEの転職を成功させるポイント
女性SEが転職を成功させるためには、リモートワーク可能な求人を探す方法がおすすめです。
リモートワークでは、自分のライフスタイルに合わせた働き方が可能であるためです。
通勤が不要になることによる時間の節約だけでなく、家庭の事情や育児、プライベートな時間との両立がしやすくなることで、より働きやすい環境を手にすることができます。
リモートワーク可能な求人を効率的に探したいのであれば、転職エージェントに相談してみるのが良いでしょう。
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リモートワークで働くことができれば、家事や育児などのプライベートとの両立が可能になるためです。
SE業界は確かに残業が多く過酷なものではありますが、転職や働き方の見直し(時短勤務など)によって、過酷な環境を変えることが可能です。
また、女性エンジニアの平均年収は、女性の平均年収を上回る傾向にあるため、しっかり収入を得たい女性にはおすすめです。
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